鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」42


2020年2月11日
占い師:

42 とりあえず、やるだけやってみる

42

 デパートの八階にある焼き鳥屋でQ氏と玉美氏は酒を飲んでいた。その店は赤提灯の焼き鳥屋とは雰囲気が違っていて女性でも気軽に入れる店だ。たまにはこんな店もいいだろうと中に入ってみたのだ。
Q氏はいきなり核心を突いてくる。栄子さんを口説くつもりならもう少しファッションセンスを磨いた方がいい。栄子さんはセンスがいいので一緒にいるとキャバ嬢に貢いでいるオタク青年のように見えるらしい。これでは彼女と釣り合わない。それは玉美氏も気になっていた。今の玉美氏はあまり服装に気を使ってはいない。Q氏いわく、彼女を口説きたいのなら男としての器を磨くことだと言う。その第一歩がセンスを磨くことだと。メガネをかけたいのなら自分に似合ったメガネを選んで、髪型も少し研究した方がいいと。玉美氏もそう思った。ここはひとつ、Q氏の意見を参考にしよう。
 Q氏の話は一般的なことがらばかりだった。だが、その一般的なことがらを玉美氏はまったく分かっていなかった。相手がどう見ているとか、どう感じているとか、考えたこともなかった。相手の視点に立つという発想がなかったのだ。玉美氏は紳士服屋でQ氏に適当なものを選んでもらって、女性が惹かれる男とはどういうものか、というところから研究することにした。

 玉美氏もこれを機に少しはオシャレになればいいのだが。易の世界では「物事を改善するには、専門家の力を借りるとよい」とある。実際第三者の意見は必要だ。そのスジの人から力を借りた方がいい。建物で言えば改装工事のようなものだ。玉美氏の改装工事を請け負ったのは、彼の友人Q氏だ。Q氏は第三者として、玉美氏にアドバイスしている。そして恋愛の相談なんかものってくれる。会社にこんな友人がいてくれれば玉美氏も安泰だ。
しかし、彼らとは違い、会社には仕事以外で付き合いのある人はほとんどないと言う人も少なくないだろう。職場での人間関係が希薄になってる今の時代、上司や部下、同僚との関係はどうしてもカベができてしまう。それは嫌われないようにと考えすぎて、顔色ばかり見ているからかもしれない。
例えば、同僚に挨拶しても、「あー」とか「うー」とかしか言葉が返ってこなかった。そのリアクションを見て、「自分は嫌われているのだろうか」と考える人がいる。だが同僚は朝っぱらから嫁と一戦やらかして敗北をあじわって、そのことを考えていただけだった。たったそれだけのことで、「自分は嫌われている」と思う人もいる。少し離れて相手を見れば、その人のことが分かるのに、無理に近づいて、顔色ばかり見ようとするから逆に見えなくなってしまう。「物を見るときは距離が大事だ。近づきすぎても、遠すぎても見えなくなる。自分の焦点距離を大切にな」とジャガイモのような少年は言っている。大きな建物は遠くからなら全体が見えても、近づきすぎるとカベしか見えない。人間関係も同じこと。建物は、遠くから全体を見ると入口が分かる。人も遠くから見れば入口が分かる。その入口を見つけることからはじめればいい。






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