鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」40


2020年1月28日
占い師:

40 とりあえず、やるだけやってみる

40

 メガネをはずし、頭を洗って髪の毛を整えた玉美氏に再びQ氏が話しかけてきた。Q氏はこのあいだ飲みに行ったとき、玉美氏の相談に乗らなかったことを詫びていた。Q氏の声が震えているような気がする。玉美氏はそんな話はすっかり忘れていた。うらで園子嬢と暇割嬢が耳を澄まして聞いているのが何となく分かる。やはり好奇の目に晒されているようだ。Q氏に、実は癒し系を目指そうと思って失敗したことを告げると一瞬彼の目が白目になり、再び声が震えだした。この男、笑いをこらえているようだ。そんなにひどかったのか。ちょっとやってみたかっただけなのに。これから玉美氏は平山商事の件で技術部と打ち合わせがある。あとでゆっくり話そうということになり、玉美氏は資料をもって技術部へと出かけて行った。
 打ち合わせは問題なく進んだ。技術部の担当者が先方へ出向き、現場を確認してから見積を出すということで話がついた。どうやら予算内でまとまるらしい。なんだかんだでお昼をまわってしまった。部署のみんなはそれぞれ外回りで出かけて、玉美氏は一人社食でラーメンを食べに行った。なんだかラーメンにハマりそうな気がした。

 玉美氏は正気にもどった。これでまわりの人たちも安心する。易の世界では「失敗しても、早く気づいて修正すれば問題はない」とある。玉美氏もあのかっこで打ち合わせに行っていたらどうなっていたことか。早めに気づいて本当によかった。
だけど玉美氏の気持ちも分からないでもない。男というのは幾つになっても子供っぽい遊び心を持っている。ときにはまわりの目を気にせずやりたいようにやってみるのもいいものだ。ストレス解消になるからね。
実際、人間は疲れやストレスがたまると訳の分からん行動をとるものだ。本人はマジメな行動のつもりでも、まわりから見ると発狂したのかと思うようなことをする場合もある。
たまに電車の中で奇妙な独り言を言ってる人がいるが、あれもストレスが原因なのだ。多分。
疲れたときは寝ればいい。しかしストレスは寝るだけでは解消されない。自分だけの解消法を見つけなければ。それは趣味でもいいし、自分一人の楽しみなどがあればさらにいい。コスプレとか、牛乳風呂とか、部屋で一人絶叫するのもいい。思いついたバカなことでも、やってみるとおもしろかったなんてことがあればそれで充分。自分が楽しければそれでいいのだ。ストレスの解消になるのだから。
心の中で俳句を唱える老人は言っている。「人間はひとりだといろんなことをするんじゃよ」と。ときには、誰もいない部屋の中で心の声にしたがって、感情の赴くままにバカなことをしてみるのも楽しいかもしれない。






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