鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」33


2019年12月3日
占い師:

33 自分自身を見つめ直す

33

 会社に戻った玉美氏はこの話を栄子さんにしてみようと思った。今なら社員食堂にいるはずだとQ氏と二人で行ってみた。
行ってみると彼女のまわりには暇割嬢と園子嬢もいていつものように雑談にふけっていた。やはり栄子さんは際立って美しい。ような気がする。Q氏は三人に近づきさっそく話しはじめたようだ。玉美氏はその様子をただ眺めていた。食堂にあるテレビから街を歩き回るレポーターが大げさなほど叫びまわっている。ツチノコでも発見されたのだろうか。玉美氏にはそのレポーターの叫びすら耳に入っていない。ただ、栄子さんを見つめていた。不思議な気分だった。彼女とは何度も飲みに行ったりしているのに、会社で制服姿の彼女を見ていると別人のような気がしてくる。
間抜け面して突っ立っていた玉美氏はQ氏に呼ばれ、自分もテーブルの席に座って話に加わることにした。どうやら土曜日にみんなで行くことに決まった。その後はどっかで飲もうということになったらしい。本当のところ玉美氏はちょっと複雑な気持ちだった。もともと「劇団茶色いにぼし」に興味を持ったのも園子嬢に近づくためだ。だが今は栄子さんのことが気になってしかたがない。園子嬢のことを好きなはずなのに、今は何も感じない。その時、玉美氏は気づいてしまった。園子嬢より栄子さんが好きなんだってことに。

 ようやく玉美氏は自分の気持ちに気づいたようだ。鈍い男である。だが、人の心とはそんなもんだ。相手の本音は気になっても、自分の本音に気づかない。きっかけがないと見えないものもあるのだ。自分の気持ちに気づいたら、動き出せばいい。易の世界では「体制が整ったら、あとは進めばいい」とある。あとは玉美氏が栄子さんに対してどんな行動をとるかということ。
 ここで告白してもうまくいくことも多いが、玉美氏のようになかなかそれができない人もいる。そんな人は、少しずつ距離を縮めていけばいい。そして、仕事でも趣味でもいい、別のことに気持ちを分散させること。
恋愛でも仕事でもそうだが、人間はひとつのことに集中すると周りが見えなくなってしまう。ペンライトの光量を絞ると明るくなっても、照らす範囲が狭くなるように、人間も集中しすぎると周りの状況を見る余裕をなくしてしまう。恋愛では付き合うことばかりに執着しすぎて、相手の気持ちを考える余裕がなくなってくる。「あなたが成功したかったら、周りの世界をもっとよく見て」とナイトクラブで歌っていた修道女も言っている。好きな相手がいたら、自分のことだけでなく、相手の世界にも目を向ける、そして自分の世界にも目を向ける。それは余裕を持つということなのだ。相手の気持ちは余裕がないと見えないもの。余裕を失くし、結果を焦って自分本位に動いていては、相手の気持ちも醒めてしまう。せっかく仲良くなったのに全てがパーだ。






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