鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」32


2019年11月26日
占い師:

32 自分自身を見つめ直す

32

 その日も二人は何事もなく帰宅した。栄子さんの心は決まったようで、占い師を目指すと言っていた。玉美氏が彼女の決断に一役かったかたちにとなった。だが、玉美氏はいまひとつ彼女の気持ちが理解できない。鈍い男である。いったい、どんな心境の変化があったのか?何より彼を悩ませたのは、ずっと一緒についていてほしいという彼女の言葉。どういう意味なんだろう?これは期待していいものなのか?そんなことを次の日会社のデスクでボーっと考えていた。時間は十一時半すぎ、もうすぐお昼だ。午前中は栄子さんのことで頭がいっぱいで仕事に集中できなかった。栄子さんはいつもどおり仕事をしている。思い切ってQ氏に相談しようと彼のデスクに行くと、彼も話したいことがあると言うのでヤロー二人で食事に行くことになった。
そして昼休み、ランチタイムで賑わう会社の隣の居酒屋でQ氏に、先日言っていた「劇団茶色いにぼし」の公演が今週の土曜日にあるからみんなで行かないか?と誘われた。元々この話は園子嬢が言いだしたことで、せっかくだからみんなで行こうというのだ。当然栄子さんも誘うつもりだし、暇割嬢も来ることになっている。玉美氏も「劇団茶色いにぼし」の公演は一度観たことがある。海胆森邪鬼が出るなら行く、と了承した。彼は今も邪鬼に憧れている。そうだ、邪鬼を観察して彼のいいところを自分も取り入れよう、そうすれば栄子さんと釣り合う男になるかもしれない。玉美氏は心の中で密かな決意をした。

 玉美氏は栄子さんのことでさんざん悩んだ。そろそろ自分のことを考えてもいいだろう。
せっかくみんなで公演を観に行こうという話が出ているのだから、栄子さんのことはひとまず置いておこう。一応、邪鬼のファンなのだし。
易の世界では「やみくもに進むより、一旦退いて、体制を整えることも重要」とある。玉美氏も女ことばかり考えてないで、少し自分の気持ちを整理してみるといい。実際、女心に限らず、他人の気持ちなど分かるわけがない。自分の気持ちさえ分からないこともあるのだ。まず、自分自身の気持ちを理解し、自分が何を求めているのか、を知ることが大切だ。他人の気持ちを考えるのは、それからでも遅くない。
 たとえば恋愛で辛い恋ばかり繰り返す人がいる。それは相手の見かけや、「恋愛をしている」という状況ばかりに執着して自分の気持ちを見ていない場合が多い。本当に相手のことが好きなのか?ひょっとしたら他に相手がいないから好きだと思いこんでいるだけかもしれない。それはおいしくもないラーメン食べて「これは有名な店のラーメンだからおいしいんだ」と思いこんでいるのと同じだ。もしそうなら、一旦店を出て考えてみるといいだろう。本当にこの店のラーメンが食べたいのだろうか?それ以前に自分はラーメンが好きなのだろうか?みんながおいしいと言ってるから自分もおいしいと思いこんでるだけなのかもしれない。CIAに転職した男の上司は言っている。「親友も五感さえも信じるな。心の声だけに耳を傾けろ」と。考えたり、行動したりすることで自分が苦しむなら、それは求めているものじゃない。楽しい、嬉しいと感じるならば、それは心が求めているからだ。心の声はそれを教えているのだ。






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