鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」28


2019年10月29日
占い師:

28 動き出した二人の時間

紅葉

 新しく週が始まる月曜日、玉美氏は会社でも昨日のことを考えていた。栄子さんは霊能者を目指すと言っていた。本当にそれでいいのかと問い詰めたいところだが本人がなりたいと言っているのだからしかたがない。できるだけ協力はしようとは思っている。が、複雑な心境だ。デスクのパソコン画面を睨みながらもあまり仕事に集中できなかった。玉美氏は落ち着かなくなって、仕事を中断しネットで調べてみた。検索してみると霊能者を募集しているところはあっても、弟子を募集しているところは少なく、ほとんどが宗教がらみ。こんどは占い師募集で検索してみるとかなりの数がヒットした。その中にはカルチャースクールや学校もあり通信教育をやっているところもあった。あとで栄子さんに教えようと目ぼしいところだけメモしておいた。
 そして昼休み。玉美氏はみんなに気づかれないうちに栄子さんを誘ってランチにでかけた。いつものファミレスは避けて駅の反対側にある飲食店へと向かっていく。その光景をQ氏と暇割嬢が遠くで見ていることに二人は気づいていない。
 駅の脇道にある和風レストランで玉美氏は先ほどネットで調べたことを彼女に話してみた。彼女は占い師にも興味を示したようだ。いろいろ調べてみたいと言ってきたのでネットカフェで一緒に調べようと切り出した。そして、仕事が終わったあと二人で行くことになった。霊能者にしろ、占い師にしろ、彼女がデビューすることになったらもう会えなくなるかもしれない。だが、それでもいい、こんな自分でも彼女の役に立てるのなら、と玉美氏は思っていた。

 好きな人がガンバッてると、応援してあげたくなるものだ。栄子さんの話を聞いた玉美氏も何とか力になろうとしている。今の彼にとって栄子さんはかけがえのない存在だ。その栄子さんのために何ができるだろうか。
 これを易の世界で表現するなら「どんな深い穴に落ちようと、慎重に行動すれば、成果は得られる」ということ。自覚はないかもしれないが、玉美氏は恋に落ちている。玉美氏の行動は恋する人の行動そのものだ。一旦恋に落ちると周りが見えなくなるほど暴走してしまうこともある。例えば、彼女が車の免許を取ろうとしていたら、借金してまで費用を出してあげるとか、車をプレゼントするとかしたら、水商売の方々は喜ぶかもしれないが、フツーは断られるだろう。下手をしたら嫌われてしまう。好意が大きすぎるとかえって負担に感じてしまう。プレゼントに見合うお返しをしなきゃいけないと考えるからだ。
 相手に負担にならず、気持ちが伝わるプレゼント、それは情報だ。どこの教習所が教え方がうまいとか、あそこの教習所は夜遅くまでやってるとか、相手が欲しがっている情報を提供するだけでいい。直接関係のある情報でなくてもかまわない。応援しているという気持ちは伝わるはずだから。
 「金は使わなくていいから、気を遣え」とある企業の経営者は言っている。ただ金や物を贈るだけが愛情の表現ではない。相手は「私のために何かをしてくれた」ということが一番嬉しいことなのだ。






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