鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」24


2019年10月1日
占い師:

24 勢いを取り戻したあとは、自然の成り行きに任せればいい

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 次の日の日曜日、玉美氏は中野の駅に降り立った。栄子さんと会うためだ。彼女とは十二時に北口の改札前で待ち合わせをしている。あと二十分ほどで現れるはず。栄子さんと二人で店を周るだけなのに、なんでこんなに嬉しいのだろうか?昨日の夜はパソコンを壊してかなりショックだった。データーはメモリーカードに保存してあるので被害はない。しかし本体は買い直さなければならない。大きな出費だ。それが原因かどうか分からないが、栄子さんとデートすることになった。できることならそれ以上の関係になってモトはとりたい。そんなことを考えていたとき、栄子さんが現れた。私服姿の彼女はきれいだった。薄いブルーのキャミソールに白のブラウス、素材はシルクだろうか。黒の短めのスカートが良く似合っている。ソロでデビューするアイドルはきっとこんな感じなんだろう。
 彼女に声をかけてとりあえず食事でもしようということになった。中野は玉美氏のホームグランド。ここならいろんな店を案内できる。二人は北口にある大きな商店街を抜けて奥のショッピングモールへと入っていった。ここは「オタクの聖地」と呼ばれる商業施設で、有名なマンガ専門の古本屋、お菓子のおまけやガチャガチャのフィギュアの店、その他にパワーストーン、アイドルグッズなどマニアックな店がならんでいる。というようなことを玉美氏は施設内の喫茶店で得意気に話していた。自分の店でもないのに。栄子さんを見ているといろんなことを話したくなる。まずは彼女が見たがっていたパワーストーンの店から行ってみようと、二人は喫茶店を出た。

 あの惨劇の夜から一夜明けた次の日、玉美氏は栄子さんとデートすることになった。これはあの惨劇を話題にした結果だろう。易の世界では「勢いを取り戻したあとは、自然の成り行きに任せればいい」とある。玉美氏がここまで話が進んだのは話の成り行きだ。彼は思いついたことをそのままメールで打った。パソコンを破壊したショックで理性をなくして、言いたいことをそのまま伝えた。それがいい結果に繋がった。それに、フィギュアの話で盛り上がるなどそうそうない。それでも栄子さんが話に喰いついてきたということは、よほど楽しそうに語ったのだろう。彼は目の前のことだけを見て行動していたのだ。それは自分の感覚に従った結果と考えてもいい。感覚に従うその行動が、成り行きに任せることなのだ。成り行きにまかせるとは素直になること。素直に、目の前のことだけに集中して、そのときの感覚に委ねればいい。
 催眠療法で有名な心理学の博士は言っている。「お茶を楽しむためには、今というときに目覚めていなければならない。過去のことを思い煩っていたり、将来のことを心配していたりすると一杯のお茶を楽しむという体験を失してしまうだろう」と。彼はイヤなことを忘れて目の前の栄子さんのことだけに集中していた。その結果がこれだ。






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