鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」21


2019年9月10日
占い師:

21 心の内を明らかにすれば、やるべきことも見えてくる

DNA

 結局Q氏と十一時まで飲んでいた。自宅に着いたのは十二時前。その日のうちに帰り着いても、Q氏の言葉が頭にうかんで明け方まで眠れなかった。繊細な男である。
 Q氏は、嬉しいときや、苦しいときに会いたくなる人が、本当に好きな人なんだと語っていた。その時、玉美氏の頭にうかんだのは姉・貞子だった。姉・貞子は玉美氏の三つ上でラーメン屋で働いている。彼氏はいるんだかいないんだか。その姉・貞子とは子供のころから仲が良かった。彼がオカルトなどに興味を持ったのも姉・貞子の影響だ。昔はよく妖怪などについて語り合ったものだ。今は仕事の話ばかりで相談にものってくれて、何だかんだと世話をやいてくれる。栄子さんはその姉・貞子に似ていたのだ。貞子ほど凶暴ではないし、見た目はまったく似てないのだが、かもし出す雰囲気はそっくりだ。栄子さんと話していると姉・貞子といるような安心感が得られる。玉美氏は一晩考えてそれに気づいた。
 そして次の日の朝、出社した玉美氏は寝不足にもかかわらずスッキリとしていた。栄子さんや園子嬢とも普段通り接することができた。昼休みに久しぶりに五人でファミレスに入り、発表会の経緯などを話していた。その席で園子嬢はQ氏と仲が良さそうに見えたが、玉美氏の心は穏やかだった。

 Q氏は「苦しいときに会いたくなる人が本当に恋しい人だ」と言っていた。その時玉美氏は姉・貞子を思い浮かべた。これは恋なのか?彼にそういう趣味があったのか?いや、そういうわけではない。このときの玉美氏は好きな人よりも、安心できる人が頭に思い浮かんだのだろう。それが姉・貞子なのだ。つまり玉美氏が本当に求めてるのは安心できる人ということ。
 彼は無意識の中で安心を求めていた。それをあたえてくれる相手が栄子さんだった。
 彼女は玉美氏を否定することはしない。すべてを受け入れてくれる人。それは姉・貞子のイメージでもある。そのイメージを栄子さんに重ねていた。それは恋愛とは違うかもしれないが、大切な人ということには変わりはない。安心できる人なのだから。そのことが分かれば答えは簡単だ。易の世界では「心の内を明らかにすれば、自らのやるべきことも見えてくる」とある。求めているものが分かったなら、友達として大切にすればいい。恋愛を意識するのはそのあとだ。
 安心は、何気ない日常から生まれる。それを退屈と感じることもあるが、その中にこそ自分の居場所があるのだ。「世紀の大恋愛より、爛れるような欲望よりも、退屈で平凡な日常は強い」と広告代理店をやめてプロデュース業を始めたオッサンは言っている。退屈で平凡な日常は安心できる人や居場所があってはじめて得られるものだから。






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