鑑定師ブログ

TOKI先生 「易者が語る日常の名言集」17


2019年8月13日
占い師:

 17 新しい季節が到来すれば、新しい時間が流れる

会議室

 次の日から玉美氏は憑りつかれたように仕事に没頭した。来週に電気メーカー数社による新商品の発表会イベントが開かれ、㈱ヌリカベ電気からも新開発した掃除機を発表する。彼はその掃除機の担当で、そこにQ氏と参加しなければならない。その関係であちこち飛び回っていた。栄子さんとは忙しいことを理由にあまり顔を合わせていなかった。避けているわけではないのだが、どう対応していいのか分からなかった。一人でいると彼女のことを考えてしまう。それが苦しい。心の整理がつくまで仕事に集中しようと思ったのだ。今日もこれからQ氏と二人で技術部との打ち合わせに出なければならない。会議室へ行こうとQ氏に声をかけオフィスを出て行った。
 玉美氏は会議室で問題の掃除機についての資料を見直してみた。教育型人工知能と埃センサーを搭載した最新式の掃除機、その名も『吸い込む金魚・マリーちゃん』人工知能が何の役に立つのかは謎だが、何かの役に立つらしい。丸っこいデザインで後部にセンサー部分が取り付けてあり、その下からコードがのびている。カラーは黄色と赤の2色。まさに金魚だ。ノズルを取り付けると串刺しにされているように見える。灰色のコードは金魚のフン。価格は(税込)94000円。会社はこれを発表する。こんな高いものが売れると思っているのか?赤い掃除機なんて誰が買う?錯乱しているとしか思えない。担当者はさぞ不憫だと思ったが、自分が担当に決まったときは一瞬意識を失い、天使が見えた。だが、実際やってみるとそれほど苦ではない。売れないものを売るのだから集中して仕事ができる。今の玉美氏にはかえってそれが都合よかった。

 これを易の世界で表すなら「新しい季節が到来すれば、新しい時間が流れる」ということ。前の章でも書いたが、大きな変化が起きるときはバタバタするもの。戸惑うことも出てくる。それに気持ちがついていかない場合もある。
 玉美氏はここのところ刺激的なことが立て続けに起きていた。ギックリ腰になったり、普段モテないのに栄子さんという女性と仲良くなれたり。今の状況を見てみると、恋愛運が上がっているようだ。恋愛運が上がるときは、何をやってもうまくいくとき、仕事でも運が味方してくれるだろう。気持ちの上でも何らかの変化が起きてくるはず。何となくやりがいを感じるようになったとか、小さな楽しみができたとか、それはほんの小さなことかもしれない。小さな変化が積み重なれば、運命そのものが変わることもある。今までとは全く違う時間が流れだすのだ。
 「人の心は外から動かされるものではなく、動くときが来れば自然と動いて、自分にふさわしい居場所へひとりでに落ち着くものです」とある魔法使いも言っている。環境や周りの人の態度の変化はきっかけにしかすぎない。自分自身がそれを受け入れなければ何も変わりはしない。ただ、その時の気持ちに素直に従い、行きついたところが自分の居場所なのだろう。






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