鑑定師ブログ

理照先生【桜から連想する神様のお話】


2019年4月1日
占い師:

皆さまこんにちは。理照です。
桜の季節がやってまいりましたが、日本では大変愛されている花です。
ちなみに日本の法律で定められた国花というのは実はありません。一般に国花だと言われているのが桜と菊なのだそうです。

桜①

しかし何故日本と言えばなのでしょうか?

パッと咲いて短期間で散る。儚いようでいて実はそこに強烈な美学があります。
美しく弱いイメージ。しかし実は冬の寒さを耐え凌ぐ強さと一気に開花するエネルギーに満ちているあたりが、日本で花と言えば桜を連想する理由なのではないかと思いますが、この花の美学が日本神話で描かれている神様がいます。

木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)

ですね。神々様随一の美女だとされています。日本の国に降り立った瓊瓊杵尊(ニニギノミコト・天照大御神の孫)がその美しさに一目惚れ。すぐに求婚して自宅を訪れます。父親の大山祇神(オオヤマツミノカミ)は

「木花咲耶姫は美しいが身体が弱いので、丈夫な姉の磐長姫(イワナガヒメ)も一緒にどうぞ。磐長姫は貴方の子孫に岩の如き強い生命力を与え、木花咲耶姫は桜の如き繁栄を与えるでしょう。」

と申し出たというのですから、神話が生まれた時代背景が分かろうというものです。
さて、瓊瓊杵尊はどうやら軽いノリというか、いささか脳天気なチャラ男系の描かれ方をしています。自分が欲しいのは木花咲耶姫だけだってんで、磐長姫を実家に帰してしまいました。そして結婚してすぐに新妻の木花咲耶姫を置いて
「ちょっくら高天原に帰ってくらあ。」
てなノリで天上界に帰省してしまいました。普通は一緒に連れて行きますよね。
そして帰ってきた磐長姫を見て、父親の大山祇神は瓊瓊杵尊の思慮の浅さを嘆いたとされています。

「木花咲耶姫は桜の繁栄をもたらすが、長い生命力は与えない。なんということだ。」

天皇陛下が人間と同じ寿命しかないのはこのせいだとされていますが、まぁそれは神話の世界ってことで。

姉の磐長姫は実家に帰してしまうわ、木花咲耶姫は置いて自分だけ帰省してしまうわ、瓊瓊杵尊はとことん自分勝手な男という描かれ方です。

さて、1人地上で待っていた木花咲耶姫の所に帰ってきた瓊瓊杵尊ですが、木花咲耶姫から驚く話を聞かされます。

「妊娠しました。」

「なっ、何ぃ~?ちょっと待て。俺は1回しか身に覚えがないぞ。そんな訳あるか。地上の他の男の子供じゃないのか?」

どこまでも軽薄な描かれ方をしている神様もあったもんですが、そんな瓊瓊杵尊のセリフを聞いて木花咲耶姫の怒ること。

「何を言うの!このお腹の子が高天原の天照大御神の血をひく子であることを証明してみせます。この子が大神様の血をひかぬ子であれば、私もろとも生きてはいないでしょう!」

ってんで、産屋に火を放って炎の中で出産すると宣言し、本当に火を放ちます。
まぁ…凄い女の人(神)もあったもんですが、炎の勢いを制して無事3人(三柱)出産。
この中の第2子が山幸彦(ヤマサチヒコ)、すなわち神武天皇の祖父にあたる神様です。
こうして身の潔白を証明した木花咲耶姫でしたが、炎を制して出産したことから、以前は活火山だった富士山を抑える為に富士山の神様と祀られ、現在富士山周辺にいくつかある浅間神社(せんげん)の主祭神であります。

日本の国に桜が咲く様な繁栄をもたらすことになった木花咲耶姫は、日本の象徴たる富士山の神様でもある訳です。

桜②

後に木花咲耶姫は、帰されてしまった不遇な姉の磐長姫を探して訪ねていったとされています。自分さえ良ければいいという考えとは無縁だった、慈悲深い神様でもあった様です。

富士山炎をも恐れぬ信念慈悲心

木花咲耶姫はまさに我が国を象徴する様な神様であり、日本女性そのものの様な女神だと言えるでしょう。
ま、それにひきかえ男神の瓊瓊杵尊は少々アレな描かれ方ですが、どうも日本神話に出てくる男神は女神に比べて少々分が悪いです(^_^;)

皆さま、今年は桜の花の向こうに木花咲耶姫の姿を見出してみて下さい。

木花咲耶姫のご利益にあやかりたい方は、東口本宮冨士浅間神社(ひがしぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)に是非お参りしてみて下さい。
ここは屈指のパワースポットの一つ ”だと太鼓判を押しておきます。






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