理照先生~酉の市のお話~
占い師:理照先生
皆さまこんにちは、理照です。
今年ももう11月、そろそろ年末を感じさせる行事がある時期になりました。
今日はちょいと四柱推命の占い師らしい話題に触れたいと思います。
関東の人には馴染みのある11月の行事と言えば何と言っても酉の市でしょう。その賑わいは関西の人にとってのえべっさんに似ていると言えば分かりやすいと思います。
酉の市は11月の酉の日に行われ、派手な飾り付けの数や大きさで値段の異なる熊手を買う際に値段交渉をし、買うと決まればお店の人々が威勢良く三本締めをしてくれるのがお江戸らしい光景です。
また、切山椒(きりざんしょ)という餅菓子と八頭(やつがしら)を買うのが伝統でした。
切山椒というのはこういう物です。
酉と言えば十二支の酉ですから、12日毎に巡ってきます。11月最初の酉の日を一の酉、2回目を二の酉と言いますが、今年は11/1がいきなり酉の日でしたから、3回目の三の酉まであります。三の酉がある年は火事に気をつけろ、と言われており、その理由はどうやら干支の起源である中国とは関係が無く、日本独特のものの様です。
江戸時代の明暦の大火が起きた年が三の酉まであった年だったとか、酉の市に行くと称して出かけた亭主の「火遊び」を戒める女房達の知恵だとか諸説ありますが、確かに中国とは無関係な話です。
先ほど十二支の酉と書きましたが、日本では干支という呼び名が一般的です。
これ、えと=干支 と言うなら干はどうしたんだい?とお気付きの方もいらっしゃるでしょう。
支が12通りなら干は10通りで、“甲乙丙丁戊己庚申壬癸”という十干がそれです。
この十干と十二支の組み合わせが干支という訳で、今年の干支は 戊 戌(つちのえ いぬ)と言うのが正確な言い方です。
ん?そうすっと十と十二じゃ支が2つ余るんじゃないの?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
この2つ余った支は上に来る干が無い、即ち天の守りが無いとみるのが(日本式)四柱推命の空亡(くうぼう)という考え方で、天中殺なんかと同じ様なものと思って頂ければいいでしょう。
2つ余る支は人によって違いまして、例えば私なら 寅と卯 が空亡です。したがって私の場合は寅年や卯年の様に、寅と卯が凶だから引っ越しやら開業やら何やらは避けろ、とみる訳です。
一方で中国式の四柱推命にはこの空亡という発想がありません。天があって地がある、代表するのは天だから、2つ余るのではなく順送りにズレていくだけのことだから空亡という考え方はしない、という理屈です。
一言で四柱推命と言っても、こういう大きな違いがあるんですね。空亡を取るか取らないかというのは実際の鑑定でだいぶ違いが出ますから。
ちなみに酉の市の酉は中国の陰陽五行説の原点に立ち返ると金の陰であり、金は水をよく生じます。つまり酉の日は水気が強い日ですから、本来の意味なら火事が多いとはならない訳です。
しかし現実には三の酉ともなれば11月も終わり頃ですから、空気も乾燥して風も強くなります。酉の日に限ったことではないにせよ、火事に気をつけろというのは合理的な観点では間違いでもないです。
ましてや酉の市で有名な浅草の鷲(おおとり)神社はその立地や江戸時代の酉の市の行事に際しての習わしから、女房達の知恵というのもさもありなん。
こんなところにも日本式と中国式の違い?がある様ですね(^^)
今年の酉の日は 11/1、13、25日です。
関東の方々のみならず、この日に東京に行く用事がある方は是非行ってみては如何でしょうか。
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